ITILの基本のキホン
今回は学生さんや、新社会人の方向けにITILとは何かをできるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。
ITILとは、お手本となるプロセスをまとめたものです。
この「プロセス」というのがポイントです!例えばカレーライスを作るというのは、大まかに以下のプロセスがあります。
①材料を洗う
②材料の下ごしらえをする
③鍋で材料を煮る
④ルーを入れて煮込む
⑤ごはんにかけて完成
これがプロセスです。順番が決まっていることがポイントです。また、どれが抜けても成立しません。
美味しいカレーライスを作るためには、このプロセスが重要です。
プロセスで大事なことは、いかに最小のコストで高い品質の成果をあげられるかです。
カレーライスを作る例の場合、美味しさが品質です。そして、作る手間がコストです。
食べてくれる人(お客様)に、美味しく(品質)、効率よく(コスト)、カレーライスを作るためのプロセスが重要なのです。
カレーライス屋さんを経営する上では、重要なポイントですよね。
ITILは、IT業界のデファクトスタンダードとなっているプロセスです。
デファクトスタンダードとは、事実上の標準という意味で、要は定番です。
つまり、ITILとはお手本となるプロセスが書かれている書籍なんですね。
ITILが定義するプロセスは、20個ぐらいあります。
では、どんなことについてのプロセスのお手本が書かれているかと言いますと、システムの戦略、設計、導入、運用といったITに関するお仕事を網羅するプロセスが書かれています。
それぞれのお仕事を品質良く、効率よく進めるためのプロセスが定義されている。
こういうことです。
なのでITILを勉強するわけですね。
ただし、カレーライスの例で分かる通り、あくまで基本的な型なんです。
カレーライスの作り方は、各家庭でも、お店でも、それぞれ違っていますよね。
でも基本的な作り方は共通する部分があります。そのいいとこ取りをした型がITILというわけです。
つまり、ITILを学んだからといって、素晴らしい仕事ができるというわけではありません。ただし、素晴らしい仕事をするための型というヒントが得られます。
お手本の型に合わせて、また、自分たちのお客様に合わせて、どのようなプロセスにするかアレンジする必要があります。
通常、ITの世界では、コンサルタントや、プロセスの導入・設計者が、お客様に合った形で、このITILを後ろ楯としながら、システムの戦略・設計・導入・運用の仕事の進め方を助言したり、実際に作ったりします。
システムの戦略・設計・導入・運用は、一連の工程であり、ITILは以下のように定義しています。
サービスストラテジ(戦略)
サービスデザイン(設計)
サービストランジション(導入)
サービスオペレーション(運用)
それぞれに複数のプロセスが定義されています。
例えばサービスオペレーションでは、インシデント管理プロセス、問題管理プロセスなどがあります。
また、プロセスの品質を図る指標のことをKPI と言います。
例えばカレーライスの例だと、
10人に5人以上は美味しいと評価したか?などが、品質の達成基準となります。
こうやって、やり方を考え、より品質の高い成果をあげていくプロセスのお手本がITILです。
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